
2年以上も夫婦生活を送っているのに、妊娠しないことを不妊症といいますが、その原因はたくさんあります。
排卵が上手くいかない、卵管が詰まっている、子宮内膜症であるなど原因がはっきりしているものから、高齢のために子宮の機能や、卵が老化してしまうことが原因になっているパターンもあります。
治療を始めてまもないあなたは、まずは不妊の原因を知って、今後のあなたの治療に役立ててくださいね。
不妊症の原因が女性側にある場合が約50%と言われています。
女性が妊娠するためには、排卵が正常に行われて、精子としっかり受精されることが条件です。
受精卵は、卵管内で細胞分裂をくりかえしながら成長し、子宮に着床してはじめて妊娠できたと言えるでしょう。
女性の不妊の原因は、これらのプロセスのどこかに障害が発生していると考えられます。
種類としては、排卵障害や、頸管因子、子宮因子、卵管因子など、さまざま不妊の原因があるので、原因を特定するのには、色々な検査が必要になってくると思います。
(1)卵管障害
女性の不妊の原因として最も多いのが排卵障害だと言われています。
卵巣から子宮につながっている管のことを卵管といいますが、ここを通りながら精子と卵子が成長していくので、卵管が詰まると子宮にたどり着かないので、妊娠できなくなります。
卵管が詰まる、癒着する、狭くなる、卵管の運動性が下がるなどの障害は、子宮内膜症やクラジミアなどが原因になっている場合がありますね。
(A) 子宮内膜症
子宮内膜症とは、本来子宮の内側にしか存在しない子宮内膜が、何らかの原因によって、子宮外に飛び出してしまうこと。
卵管、卵巣、子宮と直腸の間などに発生します。
私は卵巣の中にチョコレート嚢腫が出来ましたし、子宮と直腸の間にもべったりと内膜が癒着していました。
厄介なのは、月経の度に飛び火した内膜が生理と同様に出血をくりかえすので、激しい月経痛がおこること。
私の場合は、激しい痛みを抑えようと薬を飲んでも治らず、寝込む程の痛みでした。
私は昔から生理痛がひどかったので、いつもの生理痛だからその内に治るだろうと思い、放置してしまったので余計に子宮内膜症を悪化させる結果になりました。
ですから、生理痛がひどい人は、薬で治せば良いと思わずに、すぐに検査を受けるようにすることが大切だと思います!
(B) クラジミア感染症
卵管障害の多くがSTD(性感染症)の原因となる菌が卵管や、周辺に感染することが原因です。
中でも、クラジミアは誰でもかかりうる程メジャーな感染症。
しかも、無症状なので感染していることに気づかず、子宮頚管から子宮腔へ、そして最後に卵管へとじわじわ感染が広がっていき、閉塞してしまう事態になります。
なので、定期的に感染症の検査を受けることをおすすめします。
(2)排卵障害
きちんとした排卵がされていることが、妊娠の大前提ですが、自分の力で排卵が出来ない場合があり、それを排卵障害と呼んでいます。
排卵障害が起こる原因の主なものは以下のとおりです。
(A)卵巣機能の低下が原因で起こる排卵障害
卵巣の機能の低下は、生理が来なかったり、周期が乱れたり、無排卵月経が起こるなどの症状を引き起こします。
卵巣機能は、年齢を経るごとに低下していくので、35歳以上になると卵巣機能の低下が著しくなり、更年期を迎えるということになります。
しかし、最近では若年性の卵巣機能低下症が多く見られており、その原因ははっきりとはわかっていません。
ですが、運動不足や冷え症で、卵巣に十分に血液が運搬されないことなどから、卵巣の働きが鈍るという風にも言われていますね。
ですから、日頃から、なるべく体を動かす習慣をつけておくと良いでしょう。
ちなみに私は、子宮内膜症で左側の卵巣にチョコレート嚢腫が出来ており、それを取り除きましたが、左側の卵巣機能は低下したまま元に戻りませんでした。
私のように、病気が原因となって、卵巣機能が低下してしまうパターンもあります。
(B)高プロラクチン血症が原因で起こる排卵障害
脳下垂体から分泌されるプロラクチンが高いと排卵が抑えられてしまい、生理不順、無排卵、流産を引き起こします。
薬でプロラクチンを抑えることもできますが、副作用が強く、めまい、頭痛を引き起こすので注意してくださいね。
無理なダイエット、喫煙、過度のストレス、不安や不眠などが原因で排卵を促すホルモンが分泌されなかったり、排卵をコントロールする中枢神経に問題がある場合も要注意です。
無月経症の場合は、月経周期をまず整えて、ホルモン治療で排卵を促すことになるでしょう。
(C)多嚢包性卵巣が原因で起こる排卵障害
卵巣をカバーしている皮膜が硬化して厚くなっているために、排卵しにくくなって、卵巣の中に卵胞がたくさんできる多嚢胞性卵巣も排卵障害の原因の一つです。
2割の女性が保有していると言われています。
年に数回しか生理が来ない人、検査で男性ホルモンの値が高いと言われた人、多嚢胞性卵巣の人は、多嚢胞性症候群なので、医師の指導の元に妊娠を目指してくださいね。
根本的な治療法はないものの、血行をよくする漢方薬を飲んで症状が落ち着くことが多いです。
(3)着床障害
受精卵は、子宮内で細胞分裂しながら成長していき、その後子宮内膜に潜り込むようにして着床します。
しかし、子宮内に受精卵の着床を妨げるような要因があると着床できません。
このことを着床障害といいます。
例えば、子宮内膜が薄いなど着床に適していない場合や、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜症の癒着などがあります。
さらに、先天性の子宮奇形や、着床しにくい体質、過去に中絶した場合や、ポリープ等の手術を受けた場合も着床しにくくなるでしょう。
(4)頚管障害
頚管粘液は、排卵期に分泌されますが、これが十分に出ていれば、精子の運動を活発にして、精子が上手く子宮内に入れるように助けてくれます。
しかし、不十分だと精子が子宮に届きにくくなるので、その結果、不妊を引き起こしてしまいます。
ホルモンバランスの乱れや、頚管に炎症があることなどが原因だと言えるでしょう。
また、頚管粘液の量だけでなく、質が良いことも妊娠の条件と言えるでしょう。
免疫的に精子を殺してしまう抗体を持っている場合も障害を引き起こすでしょう。
抗精子抗体検査を受けて、陽性が出た人は、治療を受けることになります。
(5)年齢的な要因
悲しいことですが、加齢になると、卵子や子宮は否応なしに老化していくでしょう。
30歳から年に数%ずつ、機能が低下していき、35歳を堺に急激に老化が進んでいきます。
今、テレビや雑誌で取り上げられているほど話題の卵子の老化は、不妊の大きな原因になってます。
そして、多くの人が、この卵子の老化を食い止めるべく、日々体づくりに励んでいるのです。
(6)原因が不明
実は、不妊の原因が特定できない場合もたくさんあります。
様々な検査を受けても異常がなかったのに、何年経っても出来ないというパターンは、特に高齢の人に多く見られます。
高齢の方は、卵子の老化を疑ってみるとよいでしょう。
【解明されている原因不明】
しかし、今まで原因不明と言われていた不妊も、最近では徐々に原因が解明されてきました。
例えば、受精卵の透明帯の部分が硬いために、受精卵が子宮に着床出来ないケースでは、透明体を薄く削って着床を促すアシステッド・ハッチング(孵化補助)をすると妊娠しやすくなります。
また、卵管采のピックアップ障害は、自然妊娠は難しいので体外受精を試みると妊娠できます。
以上で様々な不妊の要因について見てきましたが、妊娠に至るまでのあらゆる段階で、様々な障害をクリアして初めて赤ちゃんが授かることがわかりますよね。
本当に妊娠は奇跡なのだと思わざるを得ません。
治療は大変なことも多いですが、つらい治療を経験した後だからこそ、赤ちゃんが来てくれたときの喜びは言い表せないほどのものがあるのではないでしょうか。
私も今、頑張っています。
あなたも、一緒に頑張りましょうね。
私が念願の赤ちゃんを授かった方法はこちら

【関連する記事】
- 排卵誘発剤を用いるメリットとデメリット
- ゴナドトロピン療法ってどんな不妊治療?
- あけましておめでとうございます!
- この4つに注意しないと排卵障害になってしまうかも!
- 人工授精〜AIHとAIDの違い
- 卵子のアンチエイジングも重要!
- 【すぐに妊娠したいあなたへ】妊娠しやすい体に体質改善をしよう!
- 人工受精が向いている人
- ピンクの呼吸で妊娠しやすい体になろう
- 妊娠カラーを取り入れよう
- 貧血を治して妊娠しよう
- 貧血と不妊症
- ルイボスティーで不妊改善
- ヨガで不妊の改善
- 子宝スポット出雲大社
- hMG−hCG療法
- ウォーキングで妊娠力UP
- ウォーキングの効果
- 不妊治療と仲間
- 排卵検査薬、排卵検査薬、超音波で排卵日を推測