
現在、不妊治療の現場では、不妊夫婦の約半分が妻側に、残り半分が夫側に問題があると考えられています。
夫婦によっては両方に問題がある場合もあるそうなのですが。
夫側の問題とはつまり、精液の量が少ない、精子の数が少ない、運動率が悪い、奇形率が高い、などです。
私が通っていた産婦人科は「女性患者しか診ていない」とのことで、院外で検査してくるように指示されました。
男性の検査なんてどこですればいいのか知りません。
婦人科や産婦人科はよく見かけますが、紳士科なんて聞いたこともありません。
医師にそう告げると、泌尿器科に行きなさいと言われました。
膀胱炎とか頻尿とか、そういう病気を治すところです。
女性の患者さんもいます。
そこが男性不妊を調べる場所でした。
夫に検査するよう頼むのはなかなか難しいことでした。
女性よりも男性のほうが繊細で傷つきやすいとはよく聞きます。
もし万が一、夫側に問題があると発覚すれば、夫は男としての自信を失うのではないか、落ち込んでしまって夫婦生活もままならなくなるのではないか、そんな不安がありました。
検査を拒否されるかもしれないという不安もありました。
もし拒否されたらそれ以上先には進めません。
誰を、どこを治療すればいいのかもわからないまま、私たちの不妊治療は終わってしまいます。
せっかく通い始めたのに、せっかくの一大決心だったのに、むしろあなたに問題があるかもしれないのに、私ばかり嫌な思いをしているのに…。
不安は不満に変わり、依頼というよりもむしろ脅迫じみた命令で夫を病院に連れて行きました。
平日の昼間、二人揃って有給を使って家からかなり離れた総合病院に行きました。
どこの外来に行くのか周囲の人にばれたくない、という気持ちが私の中にあったからです。
病院に着いてからは、ひたすら謝っていたと思います。
もしかしたら夫に情けない、惨めな思いをさせてしまうかもしれません。
何と慰めればいいのかもわかりません。
なんで謝ってるの? と聞かれたとき、思わず口を噤みました。
約半日の待ち時間にもかかわらず、夫の検査はあっという間に終わりました。
気がつくと「終わったよ」と飄々として隣に座ります。
結果は「ほぼ正常」。
見せられたメモ紙の数値は、インターネットで見た理想の値に近いものでした。
検査、嫌じゃなかった? と尋ねると、おじいちゃん先生に触られた、と夫は言いました。
人の利用が少ないトイレまで行って精液を採取して急いで診察室に戻ったとのことです。
顕微鏡を見たらいっぱい泳いでたよ、初めて見た、と子どものように笑って話していました。
結果が正常だった、ということよりも、何も傷ついていないように振る舞う夫に安堵したことを覚えています。
本当に嫌じゃなかったの? としつこく尋ねると、「○○(私のこと)だって嫌な検査してるんでしょ?」と言われました。
正直に言うと、私はその時まで夫側に問題があると思っていました。
産婦人科の医師には「見たところ問題無い」と言われていたし、夫は何も検査していなかったし、これで夫に問題があれば自分は治療から解放されると思っていた節もあります。
しかし夫は極めて正常でした。
病院からの帰路、検査内容や結果に何も感じていない夫にほっとしたのと同時に、私なのかもしれないという不安が込み上げていました。
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